最後に返したもの

借り続けた小人たちが、最後に返したものはなんだったのだろうか。

前の雑記に『前売り券』を買ったと報告した『借りぐらしのアリエッティ』。
公開日から一日遅れて鑑賞してきたので、感想を書いてみよう。
もちろん、ネタバレありだから閲覧には注意されたし。

ストーリーについては公式サイト等を参考にしてもらうとして、
まず、一言で感想を述べれば、
『小人から見た世界を素晴らしく表現した芸術作品』
と、私は言うだろう。
実際に見てもらえば、私の言っている意味がわかると思う。
小人にとって、虫や鳥はどんなに巨大で凶暴で恐怖か、
角砂糖の一つやティッシュの一枚がどんなに貴重か、
人の声の響きが、強い風に煽られることが、どれほど人間の体感と異なるか。
映画館の巨大なスクリーンにも収まらないほど巨大な人の顔、
臨場感溢れる壮大なごくごく普通の人の発する声、
それらはきっと映画館で見なければ味わえないだろう。

小人ならではの生活、工夫といった点も見てて興味深かった。
壁にささった釘を橋のように渡ったり、
両面テープを両手両足にくっつけて棚を登ったり、
人間の翔との連携で、小人しか通れない隙間から部屋に入り、
カーテンをよじ登って窓の鍵を開けたりと、
かわいらしくも勇ましいアニメーションは見てて心が躍った。

映画の最後、アリエッティに別れを告げた翔は、最後に呟いた。
「アリエッティ、君は僕の心臓の一部だ」
最初にこの言葉を聞いたとき、意味を理解しきれなかった。
でも、考えに考えて、自分なりの解釈をすることが出来た。

映画の中盤で、翔とアリエッティは一度ぶつかる。
人間を『滅び行く種族』と思い込んでいるアリエッティに、
翔は『借りぐらしこそが滅び行く種族』だと真実を告げる。
その言葉に衝撃を受けつつも、アリエッティは強く宣言する。

「私たちは、そう簡単に滅びたりしないわ!」

そして、その言葉通り、アリエッティは強く生き抜いていく。
お手伝いさんのおばさんに捕まった母を、翔の力を借りて助け出し、
生き延びるために今までの家を捨てて旅立っていく。
生きるために全力と知恵を尽くす小人。
心臓が弱く、近く手術を受ける少年は、
滅び行く運命と懸命に闘うその姿に、弱き心を打たれたのだろう。

暮らしのために借り続けたアリエッティたち。
何度も助けてくれた翔に、彼女たちが最後に返したものは、
滅び行く運命に立ち向かうための勇気だ。

2010/07/18(日)21:23
[1] YOU
ちょっと書きたくなったのでコメントを、

自分の意見としては総合評価としては中の上というところでしょうかね。

ただこれはあくまで総合評価であっていいところ、悪いところもあります。

まずストーリー性としては5段階評価で言えば3くらいですかね。
小人から見た視点としての世界観というものは新鮮なものを感じました。
これは監督が宮崎駿とは違う監督だから、ということもあると思いますが、ちょっと「小人の世界」を意識しすぎて「壮大さ」に欠けたような気がします。
そして「人の醜さ」がこの話の中では特に鼻につきましたね。

悪役として仕立てられたハルさんは当然として、私は主人公のショウも「え?」と思うことがありました。
特にあの台所をプレゼントしたところです。
もし自分が「いつもどおりの日常」を送っていたときに家が破壊されたらとんでもないショックを受けると思います。
たとえそれがより上等な物を提供してもらえるものだとしても同じだと思います。
ショウは小人の気持ちを考えることができなかったのでしょうか?

もうひとつはその後にシュウとアリエッティが花畑の真ん中で会ったところ。
いくら数の少なくなった種族だったとしても相手を絶望させる恐れのある「君たちは滅び行く種族なんだ」なんていう言葉は普通言うことなんてできません。
「人間は67億人もいるんだ!お前らは数えるほどしかいないんだろう?」
あの会話を聞いたとき、私はそう聞こえました。
本人はそういうつもりではなくても他人にとってはそう聞こえることがあるということはあると思います。

もしかしたらいい話として語りたいことがあったのかもしれないけど、私としてはそこはもう少し言葉を選んだ方が良かったと思います。
まだ若いから、そう解釈することもできるとは思いますが、せめて映画くらいはしっかり事をいうところはあるのではないでしょうか。

一方で、小人は純粋で、素直な印象を受けました。

というのも、アリエッティがいろいろな失敗をしたところでアリエッティを責めず、「仕方ない」で済ませていたことです。
どんなにいけないことをしても、それを咎めても責めることは決してしない。
親子として当然のことではあるかもしれませんが、私にはそれがとても強い絆というべき物に感じられることができました。
この映画で見るべきところは「小さな世界における人間の世界の壮大さ」と「その世界における人と小人の価値観の違い」だと考えます。

今回は宮崎駿とは違う監督らしいですが、見れば見るほど違う側面が見れて様々な方向から見るととても面白い映画だと思いました。


長くなりました。
自分のコメントにしては普段よりもかなり長いコメントになってしまいました。
まぁこのコメントは誰にも読まれずに終わるだろうとの思いを込めてこんなに長く書いてしまったわけですが、

私は今回、この借り暮らしのアリエッティを既に3回見てるんですね。
諸事情があって前売り券を買ってみることはかないませんでしたが。

何でそんなに何度も見ちゃったかというと、自分、ポニテ萌えなもので、アリエッティのポニテに惹かれただけなんですね。

これはいったことがありませんでしたが、ポニテは最高だと思います。私はポニテを語り始めたら半日は余裕でつぶれることができる自信があります。
とまぁこんなこといったってしょうがないですね。

私が今回この映画を見たかったのは、単にジブリだからというわけではなく、ポニテを干渉したいからという意味も含まれていた。
そういう話でした。

以上です。半ば酔ってのコメントなのでもし見られていたらすいませんでした。
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